野菜と蜜蜂から世界のお肉のことなど考える

はい、今日も小さな畑に行ってきました。

やっぱり人間のサイズは地面にしゃがむのにちょうど良くできていることを再確認しました。

しゃがむといっろんな虫がいるのが分かります。色んな匂いもします。野菜の葉の変色も見えるし、アブラムシがいるのも分かります。草の種類も色々あるのも分かります。

前書いた草むしりについて進捗がありますのでまずはそのご報告をさせて頂きます。

あの後いわゆる雑草達とどのように付き合っていったら良いのか、少し調べました。やはり雑草を駆除するばかりでなく、共存するというか、雑草がその環境に存在する意義を知って、雑草の助けを借りて人間の活動をするということを実践している人はおられますね。

まずは雑草の根。根は土を掘り進め、ふかふかにしてくれるそうです。なので根から引き抜くとふかふか要素を土からどかしてしまうことになり、土が固くしまってしまうのだとか。地下茎で伸びる一部の草を除き、雑草は根を残して刈りましょう。刈った雑草は、その土地に必要なミネラル分を身体に貯めているので、できれば雑草堆肥にして畑に返してあげましょう。それが畑の地力を早く高める近道だそう。

参考にさせてもらったサイトの方曰く、雑草も昆虫も、存在する意味はひとつ、環境のバランスを整えるためにいるのだそうです。ある種類の虫が大量発生することも、ある種類の雑草だけ除草剤散布後に生えてくることも。困ったときは、自分が自然のバランスを崩すことをしていないか、振り返るタイミング、と。

全て納得!です。小さな畑でしゃがんで草を刈る(根は残しながら)時に見える1メートル四方の世界。今日もそこから色々な発見と疑問が出てきました。

しゃがんでオヒシバを刈りはじめたときのことです。どこからか花の蜜の甘ーい香りが。顔の左には大家さんのコスモスが。ああ、きれいだし当然香りもいいんだな、と何気なく匂いをかぎました。あれ?無臭…。顔の右には我が家のジャガイモの花。紫がかってかわいいですよ、でも所詮はジャガイモの花ですよ。まさかね、と思って嗅いでみたら!甘~い。良い香り~!知らなかった~!どうりでミツバチがたくさん来るはず!

それから気になって畑の野菜の花を嗅いで回りました。花豆の紅色の花も甘い良い香り!トマトの黄色いのは青臭いトマトの木の匂い。紫のナスの花もいい香り。パクチーの白い小さい花はハーブっぽい爽やかな香り。かぼちゃの花も嗅ぎたかったけど、ちょうど満開のの中でミツバチが2匹食事中だったので嗅げず。唐辛子の白いかわいい花は嗅ぐの忘れてました。

野菜の花が良い香り(のもある)って、これまで知りませんでした。でも考えてみれば当然ですね。花を咲かせ、ハチなど虫を呼び寄せ蜜をあげる代わりに、受粉をしてもらう。理科の授業で習ったやつです。そぉか~。

そういうつもりで見て聞くと、小さな畑は実はうるさいんです。ハチやコガネムシの羽音、スズメやキジバト、ヒバリの鳴き声。今日ハチだけでも4種類見かけました。恐らくですが、西洋ミツバチ、日本ミツバチ、マルハナバチ、後名前の分からないセクシーなの。モンシロチョウも飛んでいます。

静かな虫もいます。花豆についたアブラムシと、アブラムシを食べるテントウムシと守るアリ。茶色いのはたぶんウリハムシ。なんか大量発生してる風です。ちょっと土を掘る作業をすると、ミミズだの幼虫系のやつだの、極小ウジ?が団子状にもじゃもじゃしてるのだの、怖ろしいほど生命に満ち溢れています。

この状態が「バランス取れてる」のかどうかは分かりません。でも、結構な生物多様性だと思います。畑2年目のひよっこが育てる野菜が、沢山の命に繋がっていると思えるのはちょっと嬉しいです。

同時に、今読んでいる本のことも思い出しました。

「ファーマゲドン 安い肉の本当のコスト」

  By フィリップ・リンベリー、イザベル・オークショット

今日のところの感想としては、今後軽い気持ちで肉と卵と魚を買うことはできなくなったと言うに留めたいと思いますが、この本の中にもミツバチ出てくるんです。以下引用。「世界のある地域では、農業が工業化された結果、作物の受粉を担うハチが消えた。その結果、農家は、お金を払ってハチを借りるしかなくなった。…自然受粉に不可欠な野生のハチは、農薬まみれの単一栽培を行う工業型農業のせいで、生息地を奪われ、駆逐された。今のところ、ハチを貸すビジネスがその代役を務めている。」

アメリカの養蜂家の多くが、蜂蜜の生産よりハチレンタルビジネスで儲けているのだそうです。そしてハチレンタル代は年々上がり、レンタル代を捻出できないため農業を辞める人も出ているのだとか。

素人ですけど、明らかに「バランス」崩れてますよね、これ。そして何も海外の例を見なくても、身近にありました、「農薬まみれの単一栽培」。わたし達の借りている小さな畑は、実はそういう畑に囲まれています。一面のキャベツ畑、一面のレタス畑。雑草は除草剤に負けない1種類しか生えてません。近くを歩くと薬っぽい匂いがします。実際農薬を撒いているのを見ることもあります。(大家さんは化学物質過敏症、急いで家に逃げ込むそうです)蝶々もハチも鳥もいません。収穫後の畑には、規格外だからかキズがあるのか沢山キャベツやレタスが放置してあります。でも、生き物が食べているのを見たことがありません。ぐったりねっとり腐っていきます。

虫や生き物が食べない野菜。本で読んだコワイ肉や魚とつながります。「ほんとうに」おいしいもの、体がよろこぶもの、自然のバランスの中で育まれたものを口にしたい。誰にとっても至極当たり前なはずの望みです。どうしたらそこに近づくことができるか。これからも考えていきます。

畑という窓を通して、今日も沢山のことを感じました。いいね畑。ありがとう&ごめんなさい自然。