Fun 仕事への道② よたよたと社会人化、でも想定外が続きます。

こんにちは。前回からのつづきです。

 

モラトリアム留学から帰国しました。ついに就職活動を始めます。氷河期継続中、4大卒女子、モラトリアム進学、マイナー国留学、既卒と不利カードを沢山貯めてしまったようです。この時点でふつうの企業さんは諦めました。不利カードがジョーカー的に化ける就職先、ないか?と乏しい人生経験から考えました。思いついたのは「都会」と「タイ語を使う」のキーワード。よし、これで攻めよう。

すみません、ウソをつきました。「攻める」なんてことできませんでした。帰国して1月程悶々としていたら(よく悶々とします)、学校の先輩から電話が。聞けば先輩の職場はバリバリタイ語を使い、ちょうど一人欠員が出て募集しているとのこと。給料は安いし福利厚生もないけど、受けてみる?「はいいっっ!!」場所は学生時代を過ごした都会でした。タイ語使える、友達もいる。友達のアパートに泊めてもらい筆記試験と面接に行き、外資系(タイ系も外資って言うのかな)ゆえに不利カードがうまいこと化け、採用されました。

今考えると、ラッキー以外の何物でもなかったと思います。学生時代学んだことを活かせ、知った街で、先輩の言う通り給料は高くはなかったものの、まだバリバリ就職氷河期のさなか、帰国後1ヶ月で安定した職業につけたのです。他の会社にも少し応募はしましたが、就活らしい就活をほとんどせず、最初の仕事にありつくことができました。本人の感覚としては、溺れる者がワラをつかんだ感じです。そう簡単に仕事は見つからないとこわごわ就活の海に入ってみたら、もう目の前にワラが!これを逃したら次はない!がばっ。たぶんどんなワラでもつかんでいました。たまたま、最初のワラがハイスペック案件でした。

でも、ここに勤めたのは2年半ほどでした。決められたルーティンワークをこなせば良い職場だったので、怖れていた「社会人になれない」は意外とすんなりクリアできました。先輩が厳しく優しく教えてくれましたしね。でも、今度は別の悩みで悶々とし始めます。「わたし、誰の役にも立ってない」「素の自分じゃない仮面で仕事するのいやだ」贅沢で甘い悩みですね。今は分かります。当時は真剣でした。得意の「悶々」でどんどん深みにハマっていき、元気がなくなり、現状維持の辛さの方が転職という「したことないこと」への怖さを上回ってしまいました。まさか自分がするとは思っていなかった「転職」などという大それたことを考え始めます。

生来臆病者ですので、在職したまま転職活動を始めます。若干の社会経験から、次は民間で、スピード感があって、勢いのある会社に行こう!と思い、起業間もない輸出会社の求人に応募をし、受かりました。タイ語も使えるというお話でした。

今思い返すと若者がはまりやすい「ブラック企業」への道のりに、すんなりのっちゃったな~、と分かるんですけどね。当時は希望に満ち溢れて転職しました。起業後間もない=創業社長がかなり個性ゆたかな方、勢いとスピード感=ワンマンかつ社員の入れ替わりもスピーディーでした。この時は「ん?間違った」と割と早く気付き、ようやく、自分は実際どんな仕事を望んでいるのかを考えました。

それまでは、「仕事があればラッキー」「自分のスペック(言語)を望んでくれる会社があればラッキー」で仕事を見つけてきました。自分が何を仕事に望んでいるかは考えてこなかった。でも、2回失敗して気づきました。わたしも何かは望んでいて、それとマッチしない仕事だから苦しいんじゃ?セルフヘルプ本など読み、ワークをし、自分の志向が分かってきました。「役に立ちたい」「衣食住、暮らすこと大事」「自然好き」

なるほど~。じゃあ、と次はオーガニックスーパーの求人に応募します。分かりやすいですね。人生すごろくのコマのようです。初めて主体的に「したい」仕事を選んだので、それはそれはやる気一杯でした。スーパー側も、期待の新人扱いしてくれました。でも。社会的に意義のあるお仕事と、現実の会社運営(儲けることです)って、一致させるの難しいのですね。現実は理想とは違う。言い古された言い回しですが、事実だから皆使ってしまうのでしょう。

でも当時のわたしは、そのことが受け入れられなかった。正しい企業理念と、結果(儲け)が比例しない。皆正しいことのためにやりがいを持って働いているはずなのに、疲弊していく。歯が抜けるように、一人欠け、二人欠け…。そんな中、わたしは周りから「Miko は大丈夫!」と言われ続けました。本人も、誰がいなくなってもわたし一人でやり切る!と思っていました。結果が出ないのは、まだ努力が足りないからだと自分を駆り立てました。人手が足りず、22時間連続で働いたりしました。

そうしたら、少しずつ異変が起こり始めました。TVや本、マンガを見たり読んだりしても、中身が入ってこなくなりました。楽しいはずのイベント(友達と会ったり)が、楽しめなくなりました。仕事の単純ミスが増えました。体が重く、職場の4段位の階段が200段位に感じました。理由もなく悲しくてお風呂で泣いたり、服の着替えが複雑なパズルのように感じられて手間取るようになりました。

仕事がうまく行かないのは、自分がいたらないからだと思いました。もう当時のことをあまり覚えていないのですが、住んでいたマンションの屋上に何度か上がりました。具体的に何かしようと思ったわけではないですが、人生から降りられたら楽になるのにな~、と思って屋上から下を見ていました。様子がおかしいのに気づいた先輩の勧めで病院に行き、「軽いウツです」となって休職し、その後退職しました。

人生すごろく、ここから無職です。ちょうどきりが良いので、今日はここまでにします~。

(ちょっと暗いところで終わってますが大丈夫、その後分かるのですが「ウツ」は最高の転換点となるのです。)