テネシーが教えてくれた①

再びこんにちは。今日でブログ歴3日目です。早くも自分的にタイ記録です。ここからは常に新記録~♪

さっそく昨日の続きを。初のアメリカがテネシーで、複数回にわたってのべ半年クライアントさんに伺うことができました。直近のテネシーは夫 Kiko も合流して、わたしがお世話になった方達に会ってもらったり、好きになった場所に一緒に行くことができました。

わたしにとって何が貴重だったか。ひと言で言うと「アメリカ怖い」が治ったからです!

英語の通訳をしておいてなんですが、わたし、実はずっとアメリカに苦手意識がありました。って言っても行ったことないので、報道その他から作られたイメージしかないんですけどね。そのイメージは、世界一の経済・軍事大国であることを笠に着て国としても国民もオレ様風、だとか、生き馬の目を抜く競争社会だから弱みを見せられない、だから皆 How are you? て聞かれたら調子悪くても "Perfect!" って完璧な白い歯並びで笑ってみせないといけない、だとか(笑)。ほんとすみません。

日本に来たアメリカの方とお仕事することはもちろんありました。でも、自分の中に怖いという思いがあるので、それが壁になって仲良くなったり、深くお話をすることはなかったです。あ、もうひとつ分かりました、今。わたし子供のころからまあ劣等感たくさんあったんですけど、そのおかげでいわゆるメジャーな属性を持つ人たちを斜に構えて見るくせがついたんでしょうね。アメリカってイメージでは超メジャー。手足長くて頭小さくて、美男美女多くて。お金持ちでホームパーティとかできて、社交の場(ってなんだ?)でも笑みを絶やさずサーキュレイト(優雅に飲み物とかカナッペを片手に人の波を回遊して談笑。怖ろしい…。)できるんでしょ?わたしムリですから!わたしは自他ともに認める内向的人間だし、社交の場に出るくらいなら部屋でぬくぬく本読んでいたいし、自己主張とかできませんし。生まれてこの方美女って言われたことないですし。

こんなネガティブマインドなのに、初アメリカなのに、通訳(英語のプロ)として仕事で行く、しかもたいそうな訛りがあるというテネシーに。それはもうお仕事を受けた瞬間から胃がキリキリいたしました。前泊のホテルでも、12時間の飛行機でも、一睡もできなかったな…。

でも、行けて本当に本当に良かったです。テネシーの人達に会えたから。

最初のミッションは、3週間でした。いざお仕事が始まってみると、思った以上に分からない!テネシーの訛りも、生の英語も、クライアント企業の専門用語も、歯が立たない状態でした。1回こっそり泣きました、自分が不甲斐なくて、それからクライアントや紹介してくれた恩人に申し訳なくて。最初の金曜日の夕方、1週間の仕事を終えて下駄箱でクライアントを待つ間、一瞬ひとりになって気が抜けて、たぶん素の超疲れた顔が出てたんでしょうね、ため息もついちゃってたかもしれません。日本で数年前に一度会ったことのあるアメリカ人(クライアントは日系企業です)が、声をかけてくれました。「時差ぼけきついんじゃない?僕も日本行ったとき同じだったから分かるよ」「この辺りのおいしいレストラン情報分かる?分からないことあったら言ってね。僕が日本行ったときレストランのメニュー訳してくれたことあったよね、あれ助かったから僕もできることあったらするよ」と。びっくりしました。一度会ったことがあるとは言え、ほぼ知らない人です。そして明らかに元気のないわたしの様子を見、気づかってくれたゆえの声かけでした。全然生き馬の目を抜いてない!

それ以外にも、仕事中わたしが分からなくて聞き返したり、知らない言葉の意味を聞いたり、質問の意図が分からず何十分も説明してもらったり(申し訳ない!)したときの反応も意外でした。分からないことを知ったかぶりして流すよりも、知らないなら正直にそう言うこと、未熟でも率直にそのことを認めて「助けてほしい」という人間を「よし分かった!」と受け入れてくれる懐の深さを感じました。

会社の中やスーパー、公園ですれ違う知らない人達があいさつをしてくれたり、にっこりしてくれることにも驚きました。もちろん全員ではないですが、目があった人はかなりの確率であいさつ/にっこりしてくれます。これも、外国で心細い身に沁みました~。日本の街で会う知らない人に、あいさつしますか?わたしはしていません。するということを思いつきませんでした。

テネシーの人を見ていると、買い物に行ってレジで会計をする間、レストランでウエイター/ウエイトレスに注文する間、お客さんとお店の人が気軽に楽しそうに雑談をするのに気づきます。お客様とサービスを提供する側である以前に、同じ人。どちらが上ということもなく一緒にいる時間を楽しもう、楽しませようとしているように見えます。もちろんレストランでたまたま近くの席に座ったり、スーパーですれ違うお客さん同士も同様です。コミュニケーションについての心の垣根が日本よりずっと低いと感じました。そしてその感じ、ほっとしました。

テネシーという土地柄も良かったのだと思います。アメリカ南部の田舎の、昔ながらのおおらかさが残っている地域だと聞きましたし、実際の印象もそうでした。そんな場所に偶然行くことができて、心底ラッキーでした。偶然じゃないか、必然ですね!

そんなわけで、初アメリカはそれまで持っていたアメリカイメージを、良い意味でぶっこわしてくれました。アメリカは怖くなかった!アメリカ人も同じ人間だった!(再びほんとすみません。)

他にもうれしい発見や出会いがたくさんありますが、今日は長くなりましたので、この辺で~。今日もありがとうございました!